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高森明勅
2020.6.30 06:00その他ニュース

学校再開の現状

長年、福岡県の教育正常化を担って来られた
教師グループ「福岡教育連盟」(再来年には創立50周年を

迎えられるという)。

毎月、会報を送って戴いている。

6月号(576号)のトップに「学校再開の現状―現場の抱える諸課題」
という記事。
新型コロナ禍(更に新型コロナ“恐怖症”禍)に困惑する

教育現場の様子が窺える。

「授業では飛沫感染を防ぐため、『後に続けて一緒に~』

といった斉読が出来ない。

特に国語や英語の先生は大変だ」

「教卓と生徒の間に透明のビニールシートをかけて

飛沫防止に努めている学校があるが、光が反射して

黒板が見えにくいのが難点だ」

「フェイスシールドを購入し全教員に配布した学校や、

管理職が中心になって作成・配布した学校もある。
ある特別支援学校では全職員がフェイスシールドを

自作・着用しているそうだ」

「マスク着用に関して、運動時は熱中症や呼吸困難を避けるため、
スポーツ庁から『体育の授業におけるマスクの着用』は
必要がない旨の通達が出た。
授業中の心配は減ったが、運動部では対応がまちまち。
柔道、レスリング等密接度の高い部活は指導が大変だ」

「特別支援学校では、マスクを嫌がる生徒に無理強い
出来ない事情もある。
接触を避けるためエアタッチすると、不思議そうな
子供達の表情に出くわし複雑な心境に陥る」

「校外でマスクを外している生徒に対し、当該学校に
苦情の電話がかかってきた」

「教室スペースに限りがあるため、1クラス40人を超えている
学級のみを分割教室にして対応しているが、空調設備の無い
特別教室しか確保できない現状がある」

「マスクは暑い。今は耐えられても真夏はどうか」

「教室にクーラーを入れると換気は?
窓を開けてクーラーでは虫は入るし電気代もかさむ。
大型扇風機の設置を検討している学校もある。
エアコンと電源が異なるため、電圧が上がり機能しないのでは?」

「入試日程が見えず、何から取り組んで良いのか見えにくい。
時期が迫る地方公務員試験はどうなるのか」

「推薦やAO入試の評価につながる成績評価は、
一学期一回だけになった考査(中間考査を実施する学校もある)
の成績が反映する仮評定で大丈夫なのか
…高3学年の不安は高まるばかりだ」

「(部活では)全国大会が中止になり、
代替大会が検討されている。
完全燃焼したい、推薦入試に大会結果が必要、との
高3生がいる反面、受験モードに切り替えたい生徒も多い。
出場による感染リスクを懸念する声も。
部活の引退をどう演出するかも悩ましい」

「部活動紹介・勧誘がしにくく、3年生と1年生の交流も進まない。
新入生の入部が進まず、部員の確保も課題だ」

「体育祭は中止や秋への延期と様々。
中止の可能性を残しつつ準備だけを進めている学校も」

「海外修学旅行は国内へ切り替え、スキーも北海道から

長野に変更の学校が多いとか」

これらは氷山の一角。
教育の現場を預かる先生方はさぞかし苦労しておられることだろう。


【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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